患者 | 70代女性 |
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主訴 | 「前歯の裏側の着色が最近気になっている」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見したところ、上下前歯全体の裏側が茶色くなっており、着色が認められました。 患者様に食生活について詳しくお伺いすると「コロナ禍のためここ数年外出する機会が減り、家でコーヒーや紅茶を飲む頻度が増えた」とお話しいただけました。 そのため、今回の着色の原因はコーヒーや紅茶に含まれる色素と考えられます。 また、着色の周辺には細菌の塊が硬く石灰化した「歯石」がたまっており、このまま放置すると虫歯や歯周病のリスクが高まります。 患者様は冷たいもので歯がしみる「知覚過敏」をお持ちで、「治療中にしみるのは嫌なので、しみない方法で着色や歯石を除去したい」とご希望でした。 |
治療内容 | 一般的に、歯石除去には超音波の力を利用した清掃器具「超音波スケーラー」を使い、着色除去にはジェット水流で専用パウダーを吹き付ける「エアフロー」を用います。
当院では知覚過敏がある患者様には、少しでもしみる症状を軽減できるよう、超音波スケーラーの中でも「メルサージュエピック2in1」、エアフローの機器では「エアフローワン」をおすすめしています。 メルサージュエピック2in1は放出する水の温度を温かく調節できるタイプで、エアフローワンも一般的なエアフローと比べて吹き付ける水の温度がやや高く、個人差はありますがどちらも施術中の知覚過敏を軽減する効果が期待できます。 これらを丁寧にお伝えしたところ「少しでもしみにくく、辛くない治療をしたい」とおっしゃられ、メルサージュエピック2in1での歯石除去とエアフローワンでの着色除去に同意いただきました。 最初に歯石をしっかり除去し、歯ぐきの炎症が治まったことを確認した後、上下前歯の裏側に付いていた着色を丁寧に除去しました。 |
治療回数 | 2回 |
費用 | 3,000円 |
治療後の状況 | 歯が本来の白さと輝きを取り戻し、清潔感のある健康的なお口になりました。 患者様にも「着色と歯石が綺麗に落とせて嬉しい。治療中も知覚過敏の痛みをほぼ感じなかったため、安心して受けられた」と大変お喜びいただきました。 現在も定期的な検診で通院いただき、お口の状態に合ったメンテナンスを行って綺麗な状態をキープしています。 |
治療のリスク | ・病状、症状、患者様のお口の環境によって、複数回にわたる施術が必要となる場合があります ・治療が終わった後も、十分なセルフケアが必要です ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、歯石の付着や着色が生じる可能性があります |
クリニックより | 当院では、使用する機器の種類などを工夫して患者様の負担をできる限り軽減できる施術を心がけています。 ただし、知覚過敏の感じ方は個人差がありますので、今回の方法でもしみる可能性はありますのでご了承ください。 コーヒーや紅茶など着色しやすい飲食物を摂取した後は、軽く歯磨きやうがいをすることで着色が軽減できます。また、エアフロー後は着色しにくくなる歯磨き粉「ブリリアントモア」の使用をおすすめしています。 |