患者 | 30代男性 |
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主訴 | 「矯正して数年経つが、全体的に歯肉が下がっているのが気になる。そこが時々しみる」とご相談いただきました。 |
診断 | 拝見すると、矯正治療後に歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」が起こり歯が移動したことが原因で、歯の位置がずれていました。
また、歯の周りの組織がすり減り歯が大きく露出している「歯肉退縮」が目立っており、特に左下の歯6本(中切歯/1番・側切歯/2番・犬歯/3番・第1小臼歯/4番・第2小臼歯/5番・第1大臼歯/6番)と、右下の歯2本(中切歯・側切歯)に、冷たいものがしみる「知覚過敏」の症状が強く出ていました。 |
治療内容 | 歯の位置を正しくするためにはもう一度矯正治療を行う必要があること、歯肉退縮は上の歯の歯肉を取り移植する手術「根面被覆治療(こんめんひふくちりょう)」で修復する方法をご説明しました。
しかし、患者様は「もう一度矯正治療はしたくない」とご希望されたため、下の歯8本(右の側切歯~左の第1大臼歯)に根面被覆治療を可能な範囲で行いました。 歯肉退縮は過度のブラッシング圧や、バランスの悪い噛み合わせによる力のかかり過ぎなどが原因で起こります。 |
治療期間 | 2ヶ月 |
費用 | 200,000円 |
治療後の状況 | 歯肉のラインが上がり、歯肉の厚みも回復したことで知覚過敏の症状が治りました。また、歯肉のラインが揃ったことで、歯磨きがしやすくなりました。
患者様も「冷たいものを口にしてもしみなくなり、見た目も綺麗になってうれしい」と喜んでいただけました。 現在は、健康な状態を維持していくために定期的にメンテナンスでご通院されています。 |
治療のリスク | ・歯肉退縮の原因が歯の位置や不適切な噛み合わせの問題の場合、根面被覆だけでは完全にカバーできない可能性があります ・直接的な原因を治療できないと、歯肉退縮が再発する可能性があります ・外科処置後は腫れ、出血が続く場合があります ・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します |