患者 | 70代男性 |
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主訴 | 「コロナの影響で通院できず、虫歯を放置してしまった。歯にヒビが入って割れており、痛いので診察してほしい」とご相談をいただきました。 |
診断 | 拝見したところ、右上奥歯(第1大臼歯/6番)はもともと歯がなく、右上奥歯(第2大臼歯/7番)を土台にしたブリッジ(被せ物)が入っていましたが、このブリッジが外れ、土台の奥歯の中で虫歯が進行していました。 右上奥歯の虫歯はかなり進行しており、保存は難しく、歯を抜く必要がありました。 そのため、新たにブリッジを作り直す場合、土台となる歯が必要でしたが、状態が良かった左上の親知らず(第3大臼歯/8番)の移植も可能と診断しました。 |
治療内容 | 右上奥歯を抜いた後の修復方法として、「入れ歯」、人工の歯を埋め込む「インプラント」、左上の親知らずを活用しブリッジのための土台として残す「歯の移植」の3つについてメリットとデメリットをご説明したところ、患者様は「歯の移植」での治療をご選択されました。 外科手術となりましたが、インプラントよりも手術回数や期間を抑えることができ、ご自身の歯を使う治療のため、体への負担は比較的少なく済みました。 その後3ヶ月ほど経過観察し、移植した歯が安定したのを確認してから、右上奥歯(第2大臼歯/7番と第1大臼歯/6番)のブリッジを作製しました。 |
治療期間 | 約6ヶ月 |
治療回数 | 20回 |
費用 | 約500,000円 |
治療後の状況 | 移植した親知らずはしっかり定着し、痛みも解消されました。噛み合わせに問題もなく経過は良好です。 ブリッジも自然で綺麗な見た目に仕上がり、患者様も大変ご満足されています。 |
治療のリスク | ・歯の移植治療は外科的処置を伴います。 ・全ての歯が移植後に定着するわけではなく、脱離する可能性があります。 ・手術や抜歯に伴う痛みが数週間続く場合があります。 |
クリニックより | インプラント(人工歯根)で治療を行う場合は、「抜歯の手術」から「骨を補強する手術」、その後「インプラントの埋め込み」から「仕上げ」まで、少なくとも合計4回の手術が必要です。そのため、治療期間も2年前後かかるため、患者様の体へのご負担も大きくなってしまいます。 このような点も考慮し、条件に一致するケースの場合、歯の移植という選択肢をおすすめしています。ご興味がある方はぜひ一度当院にご相談ください。 |