患者 | 40代女性 |
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主訴 | 前歯が一部欠けており、もう一本は変色してしまっているとのことでご相談いただきました。 おそらくご本人も忘れてしまっているのかと思いますが、以前にぶつけるなどして一本は欠けてしまい、もう一本は神経が死んでしまったものと思われます。 その影響で右上前歯は色が黒ずんでしまっており、口元で一本だけ目立つ様な状態になっていました。 ぶつけるなどの外傷事例ではよくあることですが、中の神経が死んでしまうことで歯の色が変色し、一般的には黒くなったり黄色くなることが多いです。 |
診断 | 右上前歯は中の神経が死んでしまったことによる変色、左上前歯は強い衝撃が加わったことによる欠損が確認できました。
前歯の目立つ部分であったことと、せっかくなら金属を使わない治療をおすすめしたところ、ジルコニアの被せものでの修復を希望されました。 左上の前歯は一見すると欠けているだけのようでしたが、裏側を確認すると数度虫歯治療をされた形跡があり、虫歯の再発や見た目の不揃いなどの観点から今回一緒に被せもので治療する方針を希望されました。 |
治療内容 | 今回は前歯の治療となるため、白い被せものでの治療が望ましく、患者さんと一緒にジルコニアという素材を選択して治療しました。
今回は左右の歯で下地となる色が違っている事例でした。そのためジルコニアの色味を下地に合わせて左右別々で調整し、仕上がり時点で同じ色味になるように整えてあります。 これまでは金属の下地を使って、その上にセラミックを盛ることで白い歯を作成していましたが、今回のように透明感のあるジルコニアを用いた治療の場合は下地の色も透けてしまうため、素材の色味調整には配慮が必要です。 自然な口元の再現には、必ずしも「白ければ良い」ということでもないのです。 |
治療期間 | 1ヶ月 |
費用 | 約120,000円×2本(税別) |
治療後の状況 | 被せものの装着も終わり、メンテナンスで通院していただいております。 仕上がりもとても気に入っていただけており、笑う際に意識しなくて済むようになったとのことです。 |
治療のリスク | ジルコニアを使った被せもの治療では、割れる、欠ける、外れるなどが起こる場合があります。 |