患者 | 3歳10ヶ月男の子 |
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主訴 | 市の検診で「反対咬合」と「上唇小帯の付着異常」と言われ、いくつかの医院にご相談されたとのことでした。 しかし、どの医院でも「まだ小さいので、経過観察ですね」と言われてしまい、不安になって当院にご相談頂いたとのことです。 |
診断 | 拝見したところ、たしかに上唇小帯(上唇の裏側にある筋)が、通常に比べ歯に近い位置についてしまっており、発音や歯ブラシの際にも問題を起こしていました。上唇小帯の位置が低いと、成長した時にすきっ歯の原因となる場合があります。 また、指摘されていた反対咬合は上の歯が見えないほどに深くずれてしまっており、治療が必要とご案内しました。 |
治療内容 | まず、上唇小帯の手術が必要となる可能性をお伝えした上で、まずはなるべく外科的な処置をしない方法でケアを行なうことをご案内しました。主にはマッサージやお口周りの運動をお子さんに頑張ってもらい、少しずつ改善を試みました。 反対咬合の治療においても、治療用マウスピースの使用と並行して、お口の運動を続けてもらい、徐々に改善していきました。 本治療は、マウスピースやお口の体操は親御さんのご理解に加え、お子さん本人のご協力も欠かせない治療です。そのため一般的には5歳程度から行なう治療方針となります。しかし、今回は当時3歳10ヶ月歳でありながらも、体操やマウスピースの使用に協力的だったことが、治療が進んだ大きな要因となりました。 また、体操については低年齢のお子さんでも続けていただきやすいよう、遊びを交えてもできる様にアレンジを加え、親御さんにもご協力いただきました。 |
治療期間 | 約1年(治療継続中) |
費用 | 30万円(税別) |
治療後の状況 | 見た目で大きく改善されてきていますが、過蓋咬合(下の歯が見えない状態)になっています。 今後は経過を見ながら上下の歯が、バランス良く噛み合い大人の歯に健全に変わっていくためのケアを、親御さんと一緒に継続していきます。 |
治療のリスク | お子様の理解が得られずマウスピースや運動が十分に行えない場合は、予定している成果が得られない場合があります。 反対咬合は遺伝的要因も関係しますので、長期的な観察が必要です。 |