お久しぶりです。神山です。症例のブログ更新は定期的にやっています。
長い梅雨が終わったと思ったら今年も猛暑がきついですね。
梅雨の肌寒さがちょっと恋しいくらいです。
毎日色々な患者さんの口の中を診ていると色々な悩みを抱えている方が多くいます。
その中でも意外と気にされていないで、放置されているモノについて
が今日のテーマです。
上の写真の黄色い丸の部分。下の歯の内側、舌と歯の間のもこもこしたふくらみ。
人によっては、歯よりも大きく、親指大くらいの大きさになる人もいます。
上顎にもできる事があり、歯ぐきの外側だったり、内側だったり、上顎の真ん中あたりが膨らんだりと多種多様ですが、たいていの人は特別痛みも無く、気づかずに困っていません。
自分でもよく見える下顎の前歯内側あたりは、気になって相談に来る方もいます。
「これってガンですか?」と心配されてくる方も。
症状がある方は
時々硬い食べ物などがあたると傷つきやすく痛い。
義歯がすれて傷になりやすく、痛い。
等の症状を訴える方が多いです。
この正体は、『骨のこぶ』です。
ただ骨が膨らんでそこだけ隆起して変形している状態で
『骨隆起』とわれわれは呼んでいます。
成人で若い頃からも少しずつ見られ、年齢が高いほど大きくなっている方が増えます。
ただし、放置しておくとどんどん大きくなっていくものではないので
特別放置して心配することは全く無いのですが、前述したとおりあまり大きい場合は
食事の際に邪魔、義歯が当たって傷ができやすいなど
日常生活に支障をきたす事もあります。
かなり長い期間を経て大きく変化していくものなので、以外と気づかずにいる場合が多いようです。
噛む力、噛みしめる癖、歯ぎしりなどの問題をもつ方に多く見られる傾向があります。
上の写真は奥歯を治療した際に、黄色い丸の部分にあった巨大な骨隆起を取り除いた後の状態。
大きな丸いもこもこしたふくらみが無くなり、舌の可動スペースがふえたのが分かると思います。
最初は右下奥歯に銀歯のブリッジが入っていた(すでに1本歯がない)のですが
その支えの片方の歯が割れてしまい、抜歯になってしまいました。
治療の際に、骨隆起も取ることを希望され、インプラント治療と同時に骨隆起を取り除きました。
術後はすっきりして快適に過ごせているとのことでした。
骨隆起は
ガンなどの悪性のものではないため
特に急いで治療するなど、心配をする必要はありませんが、
治療している歯が多かったり、神経が無い、歯を失っている人は特に
それ以上問題が起きないように残っている歯をしっかりケアすることをお勧めします。
骨隆起がある人は、他の人よりも力の問題が関与している可能性が疑われるため
口元のケアには特に気を付けておいた方がいいですね。
心配な方はいつでもご相談ください。