「最近、お茶でむせることが増えた」
「硬いおせんべいは、なんとなく避けている」
年齢のせいかな、で片づけてしまいがちな変化ですが、歯科ではこれを「オーラルフレイル」と呼んで、わりと真剣に見ています。
口の機能が少しずつ落ちてきている状態のことです。
我孫子市は高齢化率が約3割の町なので、身近な話でもあります。
2024年、老年医学や老年歯科医学などの3つの学会が、自分でできるチェック項目を発表しました。
・自分の歯が20本未満
・半年前より硬いものが食べにくい
・お茶や汁物でむせることがある
・口の渇きが気になる
・普段の会話で、言葉がはっきり発音できないことがある
このうち2つ以上当てはまるとオーラルフレイル。地域で暮らす高齢の方の、およそ4割が該当するといわれています。
たかが口のこと、と思われるかもしれません。ただ、体との関係を追いかけた研究はいくつもあります。
お隣の柏市で約2,000人を追った研究では、口の衰えが重なっている人は、2年のうちに全身のフレイルになる割合が約2.4倍、筋肉が落ちるサルコペニアは約2.1倍でした。
大阪公立大学の調査では、オーラルフレイルの方はその後1年間に転ぶ割合が1.6倍という結果も出ています。
なぜそうなるのか、すべてがわかっているわけではありません。噛みにくくなると柔らかいものばかりになり、肉や野菜が減って、たんぱく質が足りなくなる。
筋肉が落ち、足腰が弱っていく。そんな流れが考えられています。
昨年末には、全国の高齢者を6年間追った研究も発表されました。
オーラルフレイルのある人は健康寿命が1年半近く短く、定期的に歯科に通っている人は約1年長かったそうです。
チェックで2つ以上当てはまった方はもちろん、1つでも気になった方は、次の検診のときに声をかけてください。
当院では、噛む力や舌の力を測る検査を行っています。
「パ」「タ」「カ」をできるだけ速く言ってもらったり、小さな風船を舌で押してもらったり、ちょっとした体力測定のような検査です。
自分の口の状態を数字で見ると、けっこう発見があるものです。