なかむら歯科の笹原です。
いきなりですが、認知症って怖いですよね。
誰しも認知症にはなりたくないですよね。
私もそう思います。
先日メガネをかけているにも関わらず、メガネが無いと探し始めた自分の行動を振り返ると認知症になるのではという不安でいっぱいです。
そんな折に、『なんで認知症になるんだろう?』と調べてみると色々出てきました。
遺伝的なもの?生活習慣?脳トレをしていないから?色々とあるかと思いますが・・・
今回はお口の健康が認知症といかに関わるのかをこちらの研究とともに見ていきたいと思います。
読むのが面倒な方は結論だけでもどうぞ。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33518591/
こちらの文献をもとにお口と認知症との関連性を見てみましょう。
現在、世界中で約5,000万人の人が認知症を発症していると言われています。
高齢化が進む現在この数は、2050年までに1億5200万人に増加すると推定されているそうです。
最近では、口腔状態の悪化と認知機能の低下・認知症の発症との関連がだんだんとわかってきました。
認知症の要因として、脳血管疾患・糖尿病・うつ病などがありますが歯周病やその炎症に伴って脳血管疾患・糖尿病のリスクが増加したり、お口の中が健康的でないと社交的な場に行きにくくなり外出の頻度が減ることでうつ病のリスクが増加してしまいます。
(他にも、配偶者の有無、学歴、世帯年収、飲酒・喫煙歴、運動習慣等々あるみたいですね)
今回の研究では、お口の健康状態と認知症との関連を調べるために、認知症状ない約14,000人の65歳以上(平均年齢72.4歳)の男女を対象に2010年から2016年までの6年間、認知症状が発症していないかどうかを調べました。
結果としては、男性の26.6%と女性の24.9%が認知症状を発症しました。
この方々を調べると、嚥下困難・咀嚼機能の低下・ドライマウス・歯の喪失これらが認知症状の発生を高めてしまうわかりました。
その中でも、嚥下困難を起こしてしまうことで男性では8.8%、女性では7.7%の認知症状の発生確率が増加することがわかりました。
これら問題が起こってしまうと、身体的社会的活動の制限、食の制限とそれに伴う栄養失調、脳血流量の低下、口腔内環境の悪化などに伴って認知症のリスクが増加すると考えられています。
結論として、『お口の健康(オーラルヘルス)を高い状態に保つことが大切』と言えるでしょう。
お口の健康を保つというのは単に、痛みの発生や歯が抜けてしまうなどの問題だけでなく脳の健康を保つためにも重要だということがわかりましたね。
しっかりと歯を磨き、定期的に検診にお越しいただくことで明るい未来を築いていきましょう。
また、『最近なんだかうまく飲み込めない』『食べ物がこぼれる』『よくむせる』などの症状がある方はお口の機能低下のサインかもしれません。
当院では、お口のトレーニングを通じて機能改善を働きかける方法も実施しており、『飲み込むことが楽になった』『食べる時間が早くなった』などのお声もいただきます。
気になる方はぜひスタッフまでお尋ねください。