子供の歯並びが悪いけど、様子見、経過観察でいいの?
よく聞かれる質問です。
子供の歯が抜けて、生えてきた歯が曲がっている。がたがたしているでお困りのお母様、お父様に良く聞かれます。
1995年の小児歯科学雑誌に掲載されている叢生歯列(歯並びのガタガタ、ずれ)の発現時期と発現部位に関する研究論文を紹介します。
そこには以下の様に書かれています。(一部専門用語を分かりやすく修正しています。)
口の中に生えてきた噛み合わせの位置まで達した当初から、叢生(歯並びのズレ)が見られた症例は、上顎で22例(84.6%)、 下顎で20例(64.5%)であった。この うち、前歯部において歯が生え終わった時から叢生(歯並びのズレ)が見られた症例が最も多く、上顎が16例(61.5%)、 下顎が18例 (58.1%)であった。
詳しく解説しますね。
子供の歯から大人の歯になるまでの81人の子供達を追って観察した研究です。
このうち歯並びが悪くなった子供は上の歯26人、下の歯は31人いるうち、
上の歯22例(84.6%)、下の歯20例(64.5%)の子供は歯が生えたときにもうガタガタが始まったということです。残りの上の歯4例、下の歯11例は最初はキレイに生えていたのに奥の歯の生え替わりに伴いガタつきが出たということです。逆に大人の歯が生えたときはガタガタでも奥の歯が生えたら治ったという報告は見つけられませんでした。また、前歯にガタガタがでるケースが1番多く60%以上だったとのことです。
前歯の生え替わりの時期ははやいと5歳から遅くとも10歳くらいまでです。
その時期に生えた大人の歯がガタガタであれば、ほとんどそのままガタガタな大人の歯並びになる可能性がたかいです。
今は歯並びも予防する時代です!
生えた歯が少し曲がっていると気づいたときこそ、予防するチャンスですので
ご相談にいらしてください。