オリンピックの日本人選手の活躍に毎日、感動して元気をもらっている歯科医師の美穂です。
少し前の調査になりますが、
オリンピック選手を対象に虫歯について調査をしたところ、虫歯がないと答えた選手は男子53.3%、女子62.7%でした。日本人の25歳の平均が男子は26.3%、女子が40.9%ですから、トップアスリートは歯を大切にしていることがわかりますね。
そんな大事な歯ですが、、ぶつけたり、ころんで怪我したら、どうすればいいの?
スポーツ時の口のケガとしては、歯の問題だけではなく、唇や頬(ほほ)や舌が切れるなどの軽症から、顎の骨が折れるなどの重症までいろいろあります。
学校での授業あるいは放課後のケガのなかでも、口や顔のケガの占める割合はかなり高いのです。日本体育・学校健康センターの調べでも、過去に報告のあった学校でのケガのうち約20%が顔面部の障害に関するものであり、小学生では約2万件が歯に関するものであったとされています。
以下に歯をぶつけたときのそれぞれの対処法を記しますが、いずれにしても歯科医院に急いで連れてきてください。当院では、常時4人以上の歯科医がおりますので、緊急時は予約の患者さんがいてもできるだけ早く診察しますので、とにかく速く受診することをお勧めします。
歯が欠けた・折れた場合
歯を破折した場合は、それが歯の内部にある神経(歯髄)まで及んでいるかどうかで処置が変わります。
少し欠けただけで、神経に影響がない場合は欠けた歯を接着して治せます。
一方、歯が大きく欠けたり折れたりした場合など神経が見えている場合は神経の処置をしてから修復します。
この場合、早ければ早いほど歯のいい状態に回復できる可能性が高くなりますので、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。
歯がグラグラしている場合
歯がグラついたり、位置がズレたりすることを、歯の「脱臼」、歯茎の中にめり込んだ状態を「埋入」と言います。乳歯の生え変わりの時期で乳歯の根が溶け、もともとグラついている状態であれば、ほとんどの場合は処置の必要性はありません。しかし、生え変わりまでに時間がかかる乳歯や永久歯の場合は、処置が必要です。脱臼した歯をそのままの状態にして、できるだけ早く歯科医を受診しましょう。
歯科医では、歯を元の位置に戻してから、ワイヤーなどを使って、隣の歯に固定し、歯茎など、歯の根の組織が回復するのを待ちます。症状によって異なりますが、最低でも2週間から2か月前後は固定しておく必要があり、その間は、歯を安静にすることと、清潔に保つことが大切です。
歯が抜けてしまった場合
歯を強打すると、歯が完全に抜けてしまうことがありますが、抜けた歯の状況や治療開始までの時間によっては、元に戻せる(再植できる)可能性があります。再植するうえで重要なのは、「歯根膜」が生きているうちに、短時間で処置をすることです。歯根膜は、歯の根のまわりについている薄い膜で、抜けた歯と骨をつなぐ役割を果たします。
抜けた歯の根を清潔に保ち、乾燥させないように、歯牙保存液、牛乳か生理食塩水に浸した状態にして、早急に歯科医に持参しましょう。また、歯根膜はデリケートなので、土などがついていても抜けた歯の根にはできるだけ触れないことも大切です。
もしもの時の為に、薬局で1500円くらいで売っていますのでこんなものを一家に一つ用意してもいいかもしれないですね。