こんにちは、歯科医師の瀬谷です。
皆さんはご自分の歯を見たときに、歯の表面の一部が白く濁って見えたことがありますか?実はこれ初期虫歯(ホワイトスポット)といって穴の空いた虫歯の一歩手前の状態なんです。
痛み等の自覚症状がなく、見た目も健康な歯とほとんど変わらないため、見逃しやすいのが特徴です。
虫歯は、歯にいきなり穴が開いてしまうわけではありません。まず虫歯の原因菌が歯に付着して 歯垢(プラーク)を作り、食物に含まれる糖質を使って生み出された酸によって歯の成分であるカルシウムやリンが溶け出す現象である 『脱灰』 が始まり、内部がスカスカの状態となってしまってやがて穴が空いてしまうのです。
この初期虫歯の時点で適切な対処を行い歯の再石灰化が期待できるのなら、歯を削る治療を必要としない場合があります。しかし、穴がなくてもレントゲン写真にて歯の中で虫歯が広がっている場合などは削って詰めるといった治療が必要となります。
初期虫歯(ホワイトスポット)の再石灰化のためには以下の2点が重要です!
また当院では前歯部のホワイトスポットに対してアイコン(Icon®)という歯科材料を用いた治療も可能です。
アイコンを用いた治療は、液状の特殊なプラスチック樹脂を、脱灰してスカスカになった歯面に浸潤させて補強することで脱灰を予防し、酸の侵入をブロックしてむし歯の進行を抑え、ホワイトスポットを改善します。
この治療の利点は歯を削らず、フッ素を利用する方法に比べて早くホワイトスポットを消失させることができるという点にあります。
いずれにせよ初期虫歯かどうか判断するのは難しい為、「これ虫歯かな?」 と気になったら、そのまま放置せずに歯科医院を受診し、相談して下さい。